インビジブル・ラブ(143)

「じゃあ、今から何をしたらいいの」
「こんなのは、どうだ?」
 浮いていた俺は、愛海の上にゆっくりと体を沈めた。
「や、やだ。淳平、目がすっごく、エロい」
「悪かったな。生まれつきだ」
 俺は霊指の力で愛海のヘソのあたりを、つつつと撫でた。
「ひゃあ」
 愛海はソファの上で身をよじる。
「こんな昼間っから、何を考えてるのよ」
「夜だと、もっとすごいことを考えるぞ」
「あふ……」
 俺に唇をふさがれて、愛海は完全に脱力してしまった。
 ケンカ別れしてからというもの、俺たちは離れ離れのときを過ごしたのだ。たまの休み、これくらいイチャイチャしても、赦されるだろう?

 結局、愛海の懇願に負けて、俺たちは外へ出かけることになった。
 ショッピングの後は、映画を見て、レストランでディナー。デートの定番コース。
 だが、普通の人間カップルと違うのは、どこに行っても、愛海が連れもなく、ポツンとひとりでいるように見えてしまうところだ。
「ねえねえ、彼女。ひとり? 誰かと予定あんの?」
 黙って歩いてれば極上の美女の小潟愛海は、繁華街を歩くだけでナンパの嵐に会ってしまう。
 実は、俺が外に出たくないのは、これが最大の理由なのだ。
「ひとりじゃないよ。カレといっしょ」
「え、どこに? どこにもいないじゃん」
「見えないけど、ちゃんとここにいるの」
 能天気な愛海は、いちいち、こういう会話を繰り返すのが苦にならないらしい。



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